その日も朝から我が家はジム君へ押し寄せる女子の群れで賑わっていました。
しかしその会話の内容はいつもと違う様子。
「あなたとは少し距離を置きたいの。」神妙な面持ちでジム君にそう告げては去っていく愛人たち。
昨日の朝までは、われ先にとジム君とのデートの約束を争っていた彼女たちに一体何があったのか。
かつて不倫大国と呼ばれていたナルル王国。
それ故に年を重ねても一向に結婚できない(しない)者がたくさん居ました。
そんな国民を見かねたナルル国王が未婚者へ恋愛を規制する法令を出したのかも。
もしくは『不倫』そのものが流行みたいなものだっただけで、
これからは一途な恋愛がトレンドのかも。
そんな事知る由もなく、一瞬にしてモテ王から失恋王へと転落したジム君は
一人不幸なオーラを纏いながらリビングで茫然とたたずんでいるのでした。
そんな夫の姿を見てシルヴィアは密かにほくそ笑んでいたとかいないとか


その後平和になった我が家は夫婦仲も良好になり第一子を懐妊。
友人のバップ君が妊婦のシルヴィアを気遣って声をかけてくれました。

ナルルはこういう特殊な会話が多いところが嬉しいですね。
ちなみにバップ君はジム君の元本命アリアドナちゃんの現彼氏で
ジム君に会いにくるアリアドナちゃんを追いかけて毎日我が家へ来ているうちに、
いつの間にか友人になってたの。
そして数日後、めでたくシルヴィアとジムゾンの第一子が誕生しました


名前はデフォルトがポリシーです!
(ただ考えるのが面倒なだけ。)
ジョルジュ。うん。なんかいいね。将来ヒゲとか似合いそう。

旦那さんからも優しい言葉をかけて貰え、
ようやく結婚って良いものだねって思える様になってきました。
その翌年にはアクアスティルグの騎兵へと転身。

練習試合では生意気なアキ君をしばく毎日を送りました。

しばかれてるけどな!
そうこうしていたら、長男のジョルジュ君が歩けるようになっていて、
更にシルヴィアのお腹には第二子が宿っていました。
出産の日。
そわそわした様子のジョルジュが駆け寄ってきて、

お前はカツオか…!
…ジョルジュは後でじっくりお説教する事にして、
無事に第二子出産しました。

二人目は待望の女の子。
ナルルのハーティリー家もすっかり賑やかになってきました。
さてさて、まだ跡継ぎが誰になるのかは決めてません。
ハーティリー家のカツオ的存在のジョルジュになるのか、
産まれたばかりのアラニスになるのか、
はたまた次に生まれてくるまだ見ぬ第三子なのか。
それがわかるのはまだ先のお話★

【現在に至るまで。(後篇)】END
次回はナルル王国番外編【悲劇の人は今】をお送りします
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